望美 ～ママ、離れないわよ。私は絶対に！～

「何でもないわ、このような立食パーティーのお作法を教わっていた所だったのよ。
それにしても２００人以上はいるわねぇ。」
先ほどの事などもう気にしていない様子で政子は開き直って言った。



どちらかと言うと男性が多い。



奥様や愛人を連れているのか、それともコンパニオンか分からないが、セクシーなドレスを着こなす女性も多数見られた。



「この人達は皆様、川添家の発展に貢献してくださった方々なんだよ。」
と義昭は言うと、
政子の耳もとでコソコソっとあの人は『有名保険会社の社長』だの、『中国の貿易会社社長』だの、『日本の海運業を取り仕切る会長』だの、『財政界の重役』だの、言い始めた。


冷静に聞いている様子を取り繕っていた政子だったが、著名人たちの名が出る度に内心、大ハシャギだった。