望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~

「来ないでぇぇーーーーーーー!!!!」


「バシッ!!!!」


政子は体ごと男に突進して行った。

…しかし、


(ハッ!!)



「キャッ!!」


ドン!!
ゴツーーーーン!!


なんと突進したときの政子の反動により望美がソファから落下。
頭を激しく床に打ち付けてしまったのだ。


「あぁ!!」
急いで駆け寄る政子。

望美を抱き上げると、「しっかりして!!望美、しっかりして!!」と声をかけ体を揺さぶった。


しかし望美は意識が無く、後頭部がバックリ割れて血が吹きだしている!!


「嫌!!死んじゃ嫌よ!!しっかりしてーー!!」と泣きながら呼び掛ける政子。



すると突然、望美はカッと目を開くと、
「ママ!!ママ!!」と言い、起き上がり、政子に抱き付いてきた。


その行動に一瞬恐怖を感じた政子。



「・・・望・・美?」

望美は政子の胸にしがみついて離れない。


「望美っ!?」


次第に違和感を感じる政子。


(ハッ!!)


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