望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
リビングのドアを『バタン!!』と乱雑に開けて入る政子。


そこには、キョトンとした表情の美華と鶴子がいた。


政子は何も言わずにベビーベッドの切れ端を鶴子に向かって投げ付けると、
「お母様、これはどういうことですの?」
と一言、激しく問い詰めた。

なんとベビーベッドも木っ端微塵(コッパミジン)に壊され、これから燃やされるところだったのだ…。

鶴子は、
「あら、あんな物、もういらないでしょうが!!だから燃やした方が、よろしいでしょう!!」
とピシャッと言い伏せた。



続け様に美華が、
「まぁ、政子さんが屋敷を出て行って、好きな所で子を産むと言うんなら、話は別ですけど、身寄りもいないのにそんなこと無理難題に御座いましょう?
オッホホホ!!」
と政子をあざけ笑った。



政子は怒りが抑まらなくて、パシッ!と美華に平手打ちをくらわした。



「な、何なさるのよ!!」
驚く美華。



「貴女って人は…、どこまで根性がひね曲がっているのかしら!!
この疫病神!!性悪女!!」
と政子は美華の長いブラウスの髪の毛をむしり掴み、彼女の顔ごとテーブルへと叩きつけだす……
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