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リオはニヤリと笑って、
「杏奈より先に、秀の唇奪ったから」
と、自信満々に言う。
「秀はリオのモノだよ?キスしたもん。だから、杏奈は邪魔しないで?」
リオは秀の腕に手を絡ませる。
秀が舌打ちをし、手を振り払った。
「俺、もう杏奈にキスしてっから」
気付けば秀の傾いた顔が見えた。
「え?秀、、、んん、、、」
前のキスと違う。
なんか、ちょっと優しい感じがした。
横目でリオを見た。
「嘘、、、、、」
リオが口に手を当てる。
「やだよ、秀。リオ、秀の彼女になりたい!!」
瞳から、大粒の涙がこぼれた。
「無理。そーゆー態度をとる後輩は好きになれない」
「スキじゃなくてもいい!近くにいたいだけなの!!」
リオは秀にしがみついた。
「やだよぉ、、、、秀、、、、」
足が崩れていき、座り込んでしまった。
それでも平然としている秀を、少し悪く思ってしまう。
「ねぇ秀?リオは、、、近くに、いたい。秀の、、、一番身近な存在になりたい」
時々聞こえる、鼻をすする音。
大きな罪悪感が、あたしを襲った。
―第一、あたしのモノじゃないじゃない。
 付き合って貰った方が、いいと思う。

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