年下彼氏、
「ふぅ…ん、」
ようやく口を開いたカゲは
俺の方をじっと見た。
何か言いたげな視線。
「何だよ、」と呟くと
やはりコイツはニッと嫌味っぽく笑った。
「で、お前はどーしたいわけ?」
どうしたい?
決まってるだろ。
「もう一度、先輩に歌ってほしい。」
一度でもいい。
あの姿が、あの声が
もう一度聞きたいんだ。
「それで…付きまとってるわけね。」
納得したように頷きながら
俺たちは笑みを交わした。
「そうだ、今日のライブ
先輩誘うから!」
立ち上がって叫んだ途端
今がまだHR中だったことを思い出し
担任にこっ酷く叱られた。