年下彼氏、



「せんぱーいっ!」



窓の外、私の視線の真下から聞こえる声。
大きく手を振りながら
満面の笑みを向ける少年。


…もちろん相手は私。



「…紗枝、またあの子来てるよー?」
「知ってる。」
「可哀想じゃん。手くらい振ってあげなよー」
「ヤダ。」



不運にも、今回の席替えで窓側の席になってしまった。
普通なら嬉しいところだけど
私はちょっと事情が違う。


ストーカーがついてるの!




「さーえせんぱーい!」




「…ウルサイっ!」


本日も私、乃木紗枝(ノギ サエ)は
朝から耳を塞いでます。

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