年下彼氏、

あぁでも、と未羽が言った。



「有弥くん、だっけ?
やっぱり女の子に人気あるらしいよ。」
「えっ、何でそんなこと知ってんの?」
「情報通だからねー」



未羽の言ったことは、確かに頷ける。

2年に進級し、有弥に話しかけられるようになってから
女の子からの視線が痛いのを感じていた。

しかも上級生もいるみたいだし。


また溜め息が零れる。



「幸せが逃げるよー?
 …あと、」
「…?」



ニッ、と悪戯っぽく未羽は笑った。





「あの子、バンドのボーカルしてんだって。」




思わずピクリと肩が動いた。
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