朝8時、中州駅で・120円


あの日、こいつが言った


「好きです!」


の返事はしてない


こいつも自分からは催促してこないし、俺から言うつもりもない


こいつにとって、ちゃんとした告白って訳じゃなかったんだろうし


「ねぇねぇ」


「ん?」


絡ませた腕に少し強く力をいれて、身体をくっつけてきた


「………寒い、ね?」


「それ、さっきも聞いた」


「だけど、寒いじゃん」


寒さで赤くなった頬を膨らませて、こいつは拗ねた顔をした


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