気付けばよかった。
りつこ、じゃなくて詩織が天使に見えた。

「しおりいいいいいいい」

そう叫んでりつこ、じゃなくて詩織のほうへ

走った。

「さお…っと…」

紗織、じゃなくて詩織が私をよけた。

だきつこうとした私をよけた。

ていうかさっき間違えて紗織と言いそうになった。

まあいい。ってやっぱよくない。

私をよけた。

わたしをよけた。

なぜ…

「きもい。抱きつくとかやめてくれる?

腐るんだけど。はい」

そう言って水筒をなげた。

しかしその水筒は私のいる方向とは別の方へ

行ってしまい、見事に水たまりへおちた。

「プッ、あ、ごめーん☆」

そう言ってさ…じゃなくて詩織は笑った。

私たち、友達だよね―…?
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