REAL

そんな気持ちを
抱き始めたのは
高校1年の終わりごろ。

今でもその気持ちに変わりはなく
むしろ早くしてほしいと
思うほど。



「会長?」

ぼーっと考えごとをしていたら
書記の青山猛がのぞきこんできた

大丈夫ですか?と言いながら
私にプリントをよこした

「バスケ部の部費についてです。会長の印を頂いたら校長に渡してきます」

青山は1年の特待生。
私の学校は特待生は
生徒会に入るという規則がある

「君、まだ春休みだというのにがんばるね」

「こういう仕事が好きなので、楽しくさせていただいてますよ」

黒ぶちメガネの似合う男。
やや細い目がさらに細くなる。

「ありがとうございます。では校長室に行ってきます」

深く礼をして去っていく。

青山は、私を破ることは
できなさそう。

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