朔夜的短編集
プールにて。
その日は特に人肌みたいな温度の風が吹き、かなり寝苦しい夜だった。
俺はこっそり忍び込んだ夜のプールで足先だけを水につけ、その冷たさで暑さをごまかしていた。
…と。
不意にパシャリと魚がはねる様な音がして、思わず意識をプールに向ける。
昼間は子ども達で賑わうプールには今は自分以外誰もおらず、ぬらぬらと光る水面は予想以上に不気味なものだった。
改めて意識したその光景に異様な寒気を覚えて、家に帰ろうと思った
まさにその瞬間だった。
自分が足をつけている、その真下。
プールの水底に、1人の女がいた。
長い黒髪がゆったりと水の中で踊っている。
両目は充血しているのか真っ赤に染まっていた。
その目は、真っ直ぐに
俺を見つめていた。
その異常な光景に動けなくなった俺をあざ笑うかのように、女は口元を三日月の形に歪めた。
そして、何事かを呟く。
女は水の中にいるはずなのに、その声は俺の耳元で聞こえてきた。
『待ってたわ…。さぁ、一緒に遊びましょう?』
お題:『人肌、プール、アブノーマル』
俺はこっそり忍び込んだ夜のプールで足先だけを水につけ、その冷たさで暑さをごまかしていた。
…と。
不意にパシャリと魚がはねる様な音がして、思わず意識をプールに向ける。
昼間は子ども達で賑わうプールには今は自分以外誰もおらず、ぬらぬらと光る水面は予想以上に不気味なものだった。
改めて意識したその光景に異様な寒気を覚えて、家に帰ろうと思った
まさにその瞬間だった。
自分が足をつけている、その真下。
プールの水底に、1人の女がいた。
長い黒髪がゆったりと水の中で踊っている。
両目は充血しているのか真っ赤に染まっていた。
その目は、真っ直ぐに
俺を見つめていた。
その異常な光景に動けなくなった俺をあざ笑うかのように、女は口元を三日月の形に歪めた。
そして、何事かを呟く。
女は水の中にいるはずなのに、その声は俺の耳元で聞こえてきた。
『待ってたわ…。さぁ、一緒に遊びましょう?』
お題:『人肌、プール、アブノーマル』