図書室でキミと~秘密事は図書室で~


「…さっき目が合ったのに、なんで反らしたの?」


「………ぇっ…」




後ろから近づき、耳元で囁く。

肩を跳ねさせた彼女に、渦巻いていた真っ黒な感情が薄れていく。


黒からグレーになったみたいだ。


しかし、さっきから浴びせられる痛いくらいの視線。

……知らない、男が俺を睨んでいる。




「声くらいかけてくれればいいのに。寂しいじゃん?」


「ぁっ、あの…!!」



俺を振り向いて見つめられる。

戸惑う彼女の肩に手をやり、少しだけ引き寄せた。



目の前のヤツに見せつけるように、俺も睨み返す。




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