図書室でキミと~秘密事は図書室で~


紙袋の中のアイスコーヒーは、きっと冷たくなくなってしまっただろう。



「……ヤバいな」



ちょっと肩に触れただけなのに、手の汗が尋常じゃない。

頬が紅潮するのがわかる。


まだ完全に晴れたワケではないが、彼女の声を聞いて

……グレーが限りなく白に近くなったみたいだ。




ボーッとしながら、晶奈の待っているところに向かう。


……あとで中川さんにメールしてみようかな?




「ぁ、弥斗!!遅かったじゃない」


「ごめん、ちょっとね。」



少々怒り気味の晶奈に微笑んで、アイスコーヒーを渡した。





.
< 102 / 166 >

この作品をシェア

pagetop