図書室でキミと~秘密事は図書室で~

*限りなく黒に近い



夏休みはあっという間に過ぎていった。


そして……中川さんと、祭りに行った。

白い肌に黒い髪の彼女は、浴衣がとてもよく似合っていて


いつもより笑顔が多かった気がする。



なんとなく気付いてしまってから、無性に中川さんに会いたくなった夏休み。


まさか一緒に祭りに行けるなんて思ってもいなかったから

すごく嬉しかった。





「行ってきます。」


「行ってらっしゃい〜」




今日は始業式。

壇上に立って、スピーチだ。



久しぶりの通学路は、まだ朝早いのにもかかわらずアスファルトが熱くなっていた。




.
< 106 / 166 >

この作品をシェア

pagetop