図書室でキミと~秘密事は図書室で~
だから俺は
また 武器 を使う。
どこかの国の王子みたい
と、前に言われたことがある。
声も意識して、甘く低く
少しでも彼女の頭に残るように……
呪いのようにも思える想いを込めて、中川さんの頬に触れる。
スベスベしていて柔らかい、白い頬。
真っ赤な顔でこちらを見る彼女に
つい笑顔が零れる。
意地悪をしてみたくなる……
結構近い距離が恥ずかしいのか、瞳を潤ませる姿が
ハムスターのようで
もっと近づきたいと思った。
「ちょっとだけ、中川さんに会いたくなったから……
わざわざ来てもらってごめんね?」
.