図書室でキミと~秘密事は図書室で~


お礼を言って、2つのペンキを抱えた中川さんは、想像していたより重かったのか少しだけよろけていた。




「せ、先輩もペンキをもらいにきたんですか?」


「うん。俺のクラスは白だけね。」



もう1つ白いペンキを取り出し、ドアに向かって歩く。


その斜め後ろ辺りを、ついてくる彼女。



「白ってたくさん使いますよね。失敗したときなんかにも…」


「そうそう。すぐ無くなるんだよね。」




なんだかいつもより、話してくれる気がするな…


心が温かくなって、満たされているような感覚がする。




.
< 137 / 166 >

この作品をシェア

pagetop