図書室でキミと~秘密事は図書室で~


先生に褒められ、表情が柔らかく優しくなっている。


……可愛いな。



素直にそう思えてしまう。


いつからこんな気持ちになっていたのだろうか。



たぶん……あの最初に体育館で彼女の姿を見た瞬間から。


もう、気になっていたのかもしれない。




「じゃ、お大事にね。」

「ありがとうございました。
失礼します。」



やはり足がまだ痛いのか、引きずりながら歩く彼女を支えながら

一緒に保健室を後にした。



しかし、廊下に出た途端に俺から離れて歩く彼女。


転んではいけない…と、もう一度背中に腕を回すと。




「だ、だから大丈夫ですって!!
一人で歩けますからっ…」




バッと腕を払われ、拒否されてしまう。

少し顔が赤く見えるのは気のせいか……?




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