図書室でキミと~秘密事は図書室で~
「痛いんだから無理しないの。」
俺の言葉に、微かに眉間にシワを寄せる中川さん。
……なんでそんな表情を…
その表情を見た瞬間
何かが胸を締め付けて
一瞬だけ、冷静さを失ってしまった。
「……まさか、俺に触られるのイヤ?」
口から出た声は低く、明らかに不機嫌。
言ってることも、歪んだものだった。
「さ、触られるって…その表現やめてくださいよっ…」
俺の様子に戸惑いを隠せない彼女。
紳の前でも、橘くんの前でも見せない歪んだ表情が……
頭に、瞳に
焼き付いて離れない。
それが余計に息を苦しくさせた。
「さっきのやつがよかった?」
「…え?」
「さっきの…橘の方がよかった?」
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