図書室でキミと~秘密事は図書室で~


「……か、神崎先輩…」



囁くように、微かに唇を動かす中川さん。

俺の名前、知ってたんだ。


みんな「会長」って呼ぶから、珍しい……



そんなことを思っていると、彼女がさっきよりはっきりと話し始めた。




「な、なんで先輩が……

副会長は…?」



か弱そうで、優しい声をしているな……

あの自己紹介のときにも感じたが、雰囲気がとても柔らかい。




「ぁ、そうか。
紳はちょっと用事で来れなくなったから。

変わりにきたんだけど……
迷惑だった?」




聞き返してみると、またポカンとしてしまった。



……なんか…


今にも消えてなくなってしまいそうだ。




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