となりの空席
いつも通り部活を終えて私は帰路についた
家に着くと珍しくお母さんが家にいた
うちの家はシングルマザーというやつでお父さんはいません
というかお父さんは私が二歳のときに病気で亡くなったそうです
お母さんは私を養う為にたくさん働いています
だからいつも帰ってくるのは夜で、家事は全て私がやっています
「今日は仕事早く終わったの?」
「 ...... 」
「お母さん?」
「弥生」
私の肩に手を置いて言った
「弥生...悪いんだけど...転勤が決まったの。それで夏休みが始まる少し前に向こうへ移ろうと思うの」
「え?」
「急に決まった事なの。ごめんね。明日は学校休んでもいいから、明後日までには準備済ましておいてね」
「――うん。わかった」
「ありがと。二日後に、友達のみんなに話しなさい。先生には、私から伝えておくから」
「うん」
私は静かに部屋に入った
まだ状況を理解出来ない
ただただ泣くことしか出来なかった