不良くんとの恋愛事情
「いやー、美羽ちゃんちっこいからさぁ。つい、ギューッ!てしたくなるんだよなぁ」


啓吾くんは立ち上がると自分の身体を抱きしめ、ギューッとする真似をすればニコニコと微笑んでいた


「変人」

「なにぃ!?」

「美羽はアンタと違って純粋なの!汚すなっ!!」

「俺は汚れてなんかねぇ!うんこじゃねぇんだからなっ!!」

「きたなっ!!うんこなら下水道でも流れてろ!!」

「な、なにおぅ!?」

「り、凛ちゃん...」


騒ぐ二人を止めようとするも、私の声はまるで聞こえてないのかまだ騒ぎ続ける

ギャーギャーと教室の中心で騒ぐ二人に対して『うるさい』とか言う人は一人もいなくて、だれもが皆笑っていた





あぁ、そっか...

この二人は自然と人を引き寄せたり、笑わせたりする目に見えない力があるんだぁ...

騒ぐ二人に注意しない

それは、みんなが楽しんで二人を見てるから


そんな凛ちゃんや啓吾くんと仲良くなれて、私は幸せだな

そう高2の夏

改めて私は思った



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