きみに届け，この想い

でも、実際に会って話してみるとそうじゃなかった。


ちょっと口数は少ないけど普通に喋ってくれるし、さっきも笑っていた。






…───何よりあの目。


冷たいなんて有り得ない。
優しくて、あったかくて、とにかく安心できる。








「全然、噂で聞いた桐山龍と、あたしの知ってる桐山龍は別人だよ」





あたしがそう言うと龍は驚いて「え…」と声を漏らした。






「だって、噂で聞いた桐山龍って人はすごく冷たい人。
でも、あたしの知ってる桐山龍は優しいし、あったかい人だから」






そう言いながら微笑むと、龍はパッと目を逸らし、目線を床に落とした。