現代戦国時代3
「幸村に?まさか、この前の戦いの時か?」
 
慶次は手にまとわりつく米粒を食べ切ると、目の色を急に変えた。
 
「何かあったみたいだな?佐助、いったい何があったんだ?」
 
俺の表情を見て、慶次は察してくれたようだ。
 
俺と慶次は場所を移し、人気の無い木の下に来た。
 
「幸村が織田側にいたんだ。俺と戦って……そして、途中で望月が来た」
 
「なるほど。まあ、織田側にいたとは予想外だな。で、それから?」
 
慶次は腕組みしながらうなずき、事の成り行きを整理している。
 
「幸村の様子が変だったんだ。急に……宝玉の力を使ってやられそうになってる時に望月が助けてくれて………」
 
それからは言葉が続かなかった。
 
あの時のビジョンが頭をよぎる。
 
「なるほどな……やっぱり何かおかしいと思ってたんだ。あんな火柱は普通の戦じゃ起きないからな」
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