現代戦国時代3
「さすが孫市だ。あくまで冷静なわけか」

「まあね。心はぐちゃぐちゃだけど……いつでも整理できる。今はできることをやるだけさ」

孫市の立ち振舞いはどことなく、望月に似ていた。

「いいかい、佐助くん。君は幸村と戦う唯一の希望なんだ。命を粗末にしないようにね」

「は…はい」

孫市は笑みを浮かべて、俺を落ち着かせようとしていた。

しかし、その笑みにはどことなく力みも感じられる。

このどうしようもない状況に憤りを感じているのかもしれない。

「始めようか」

幸村の槍の炎があらぶっている。

明らかに戦闘態勢に入った合図だ。

「やるしかないか……彼らがいたらまだなんとかしてくれたかもなあ」

「彼ら?」

「平賀源内……大河隆盛……幸村の盟友だよ」

まだ二人も仲間がいたのか。

幸村の仲間ならば、強さは半端なものではないだろう。
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