現代戦国時代3
「燃え尽きろ!!」

幸村が突いた槍の先から、炎が渦を巻いて飛んだ。

「っ!!」

俺は風の壁で炎の軌道をずらした。

炎は横に生えた木々に燃え移り、また大きくなった。

「やるね。まともに切り裂くんじゃなくて、逸らしたわけか」

「はい…でも、このままじゃ防御しか…」

「大丈夫。私に考えがある」

孫市は銃に何やら新しく弾を込めている。

「これで幸村の防御の種明かしをできれば勝ち目はある」

孫市が銃を構えた。

「孫市。まだ当たると思っているのか」

「ああ。もちろんさ」

「まんざら嘘でもなさそうだ」

幸村は再び槍に火をともした。

「孫市さん……」

「大丈夫。とりあえず防御は頼むよ」

不安そうな俺に、孫市は親指を立てて答えた。

「いくぞ!!」

幸村は地面に向かって、槍の先を降り下ろし、炎を地面が這うように飛ばしてきた。
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