現代戦国時代3
俺は風の壁で足元を覆った。

凄まじい熱を一瞬感じたが、なんとか炎を受け流す。

「次はこっちだ」

孫市は銃を構え、連射を開始した。

「無駄だ!!」

幸村をすり抜けていく弾丸たち。

銃声だけが悲しく鳴り響く。

連射が終わると、孫市は大きく息を吐いた。

「直接は当たらなかったみたいだな?」

「残念だったな」

「ああ。でも、もうこっちの手の内は施されてるぜ」

俺にも何が起こっているかわからなかった。

「何の強がりだ?」

「強がりかどうかはすぐにわかるさ」

「それなら確かめてやるよ」

幸村が槍を振りかざした。

カラン……

何か鳴る音が後ろから聞こえた。

「そこか。幸村!!」

背後を見ずに、孫市は素早く銃を放った。

「ぐっ!?」

幸村の苦しむ声。

振り向くと前にいたはずの幸村が後ろにいた。
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