現代戦国時代3
何が起こったかまったく分からない。

しかし、孫市の銃弾は幸村をとらえた。

「……糸のついた銃弾とは考えたな…孫市」

「攻撃をすり抜けたのが間違いだったな。原理はよく分からないが、別の場所にいるとしか思えなかったからね」

地面に転がる銃弾には、何やらきらめくものが見える。

ワイヤーのようなものだ。

「ぐっ……」

幸村の手から槍が離れた。

カラン…

地面に槍が転がると同時に、慶次にまとわりついていた獄炎が消えた。

「……まさか、こちらがやられるとはな」

幸村は槍を拾い、ゆっくり立ち上がった。

「幸村、もう私にはかなわない。いい加減意地を張るのはやめたらどうだ?」

「まだだよ……まだ終わらない。終わらせちゃいけないんだよ」

孫市が差し出した手も、幸村には届かなかった。

「また会おう。孫市」

幸村は炎をまとい、天高く飛んだ。
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