現代戦国時代3
城に帰り着いたころには、すっかり日が暮れていた。

城の門を潜ったところで、待っていた謙信たちに迎えられた。

「慶次は無事だったか?」

「はい。ただ怪我の程度がひどく治療が必要かと…」

「だったら、俺の出番だな?」

謙信の隣にいた院長は孫市の肩にかつがれた慶次を根津と一緒に医務室へ運んでいく。

「二人ともご苦労。今日はよく休んで、また明日報告してくれ」

「いえ。それには及びません。間違いなく、近いうちに幸村はこちらに来ますからね」

「……ふむ。分かった。早急に軍を編成しよう」

「よろしくお願いいたします」

孫市はそのまま謙信の横を通って、城へと入っていった。

「佐助。どうした?何やら元気がないが…」

「いえ、何も…」

俺は孫市の後を追った。

さっきのことを謝りたかったからだ。
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