現代戦国時代3
その頃、幸村は一人川のほとりで傷を癒していた。

「ぐっ……くぁっ!」

銃弾をえぐりだし、布を使って止血する。

「かなり体力を消耗しているようだな?」

「誰だ!?」

辺りは木々に覆われ、視界が悪い。

相手を視認できないまま、幸村は槍を構える。

「こちらだ」

現れたのは、以前戦った土使いの男・地豹(ちひ)。

「お前は…」

「力を貸してやる。邪魔な奴を倒したいんだろう?」

地豹の笑みには、なにかが含まれていた。

「何が狙いだ?」

「邪魔な相手が一緒なだけだ。白夜もやられ、こちらも復讐しておきたいからな」

利害が一致。

ただそれだけのために?

地豹はもともと幸村を殺すつもりだったのでは?

「いいだろう。もし、裏切れば命はないと思え」

「その言葉、信頼として受け取らせてもらおう」
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