現代戦国時代3
「よーし、前田慶次って言ったか?ばっちり治してやるからな」

院長は横たわる慶次の横に座り、桶についだ水で手を洗っていた。

根津は何やら草をすりつぶして、薬を調合している。

「おい、根津。さっきのガキはどこにやった?」

「母親が迎えに来たんで、帰っていきましたよ」

「なに?」

院長は何やら気がかりな様子だ。

「どうかしました?」

「いや。あのガキ、体調なんて悪くなかったからな。精密な検査したいって母親に伝えるつもりだったんだ」

「なるほど。なんなら探してきましょうか?まだ城の近くにいるかもしれませんしね」

根津は薬の調合を止め、医務室を出ていった。

「おい、根津!!薬はちゃんと作れよ!」

院長の怒号も届かず、根津はさっさと親子を探しに出ていってしまった。

「ったく。ん?なんだこれは?」

院長は、床に光るなにかを見つけた。
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