現代戦国時代3
「ふう。院長の勢いについていってちゃ、体がもたないな」

根津は呼びにいくことを口実にして、解放感に浸っていた。

しかし、そう長くは外にもいられない。

「さて、本格的に探すとするかな」

根津はまだ慣れない城の中をうろうろと歩き出した。

城は戦の準備を始めたようで、慌ただしくいろいろな人が動いている。

「戦ね……俺にはあんまり関係ない話だな」

戦闘なんて無縁な根津にとってはあまり身近には感じられなかった 。

「しかし、いないな。とりあえず門番に確かめてみるか」

根津は城門に行き、門番に確かめた。

しかし、門番も二人が出るのを見ていないという。

「困ったな。いい加減にしないと院長に殺されちゃうな」

キョロキョロ辺りを見回す根津。

ふと上を見上げてみると、やぐらのてっぺんが見えた。

いつもなら見張りがいるはずだか、今は違う人影が見える。
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