現代戦国時代3
「何であんなところに?」

根津は違和感を覚えたが、とりあえず、呼びにいくために梯子をあがった。

見張り台には、親子が立っていた。

わずかなスペースなので、三人もいると、何かの拍子で落ちてしまいそうだ。

「あの……院長が呼んでるんで、また医務室に来てもらってもいいですか?」

「あら……あなたは?」

ゆっくり振り向く母親。

しかし、前とは違い、かなり若々しくなったように見える。

「え?」

「せっかくの敵情視察も邪魔されては仕方ない」

ヒュンッ!!

根津は驚いた拍子に尻餅をついたのがよかった。

頭の上を刀がすり抜けた。

「な……」

横にいた子どもは、いつのまにか青年になっている。

凛々しい顔立ちだが、言葉にも行動にも非情さを感じる。

「助けて」

その一言を発しようとした根津だったが、体が動かない。
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