現代戦国時代3
「逃がさない!!」

「佐助くん!城門に急ぐんだ!」

孫市が見張り台から指示を出す。

俺は指示通りに、二人を追った。

「ふう……」

根津はなんとか命を長らえたことを幸せに思った。

「大丈夫か?根津」

「院長!」

院長が根津の見張り台にやってきた。

「見張り台に変な奴がいるって佐助が先に気づいてくれてな。なんとか間に合ったようだな」

「佐助が…」

「まあ、とりあえずこれで俺も怪しく思ったんだ」

院長が手にとっているのは、先ほどの女の袖から見えたきらめくもの。

「こいつは、麻痺毒を促す調合毒物。こんなんが医務室にあるのは、おかしいからな。二人に頼んで、一緒に探してもらったのさ」

院長と佐助、二人のおかげで、なんとか根津は助かったようだ。

「とりあえず、あとは佐助に任せるしかないだろ」

「はい……そうですね」
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