現代戦国時代3
麻痺毒にかかった兵士たちの治療にあたる院長。

その姿を見ながら、謙信は深く頭を悩ませていた。

「軍神と呼ばれし男が、随分、お悩みのようだな?」

「政宗殿……」

「まあ、兵士の大半が毒にやられ、戦力の佐助に慶次は大ケガだ。そうなる気持ちはわからないではないがな」

「……」

頭を悩ませる謙信。

逆に政宗は表情は明るかった。

「気にしてても何も変わらないさ。天に祈るしかないだろう」

「うむ……」

孫市の予想が正しければ、間もなく幸村との戦いがある。

しかも、いつ来るかわからない軍だから、この城で待ち受けることになるはずだった。

しかし、軍の編成中に、この事件だ。

信じたくはないが、幸村と例の親子には何か関係がありそうだと謙信はにらんでいた。

「まあ、次からは俺も出陣させてもらうからな。慶次の代わりくらいにはなるだろうよ」
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