現代戦国時代3
「戦えるのは、七割くらいか…」

孫市は見張り台に立ち、物思いにふけっていた。

先の織田軍との交戦、そして麻痺毒の蔓延。

兵力は減るばかりな上に、休む暇すらない。

完全に潰しにかかられている。

「佐助くんが言っていたことが本当なら……次は俺が狙われる番なのかもな」

望月、慶次、この二人が幸村によってやられた。

幸村を使い、前作での戦いの中にいたものを討ち取りにかかるなら、次は自分のはず。

孫市は見張り台で、静かに息を吐いた。

「やれやれ、嫌な戦いだ」

つぶやいた言葉は誰にも届くことはなく、どこかへと風にさらわれていった。

「佐助くんがいない今は、耐えしのぐしかない。ただあいつらが来たら状況は最悪だな」

例の男女が来るかと思うと頭に浮かぶのは、敗北の二文字だけだった。
< 43 / 113 >

この作品をシェア

pagetop