現代戦国時代3
「現代戦国時代!」

俺はようやく思い出した。

「よかった。何か思い出せたみたいだね」

「あの……僕は、ゲームをしていたんですけど」

青年は俺の言葉を聞いて、何度かうなずくと、ゆっくり目を閉じた。

「そう。猿飛佐助。君はそう呼ばれて、風の宝玉を操っていたんだね」

「あれ?」

「そして、君は幸村くんとも戦い、鴉に破れた」

「なんでそれを?」

青年はゆっくり目を開き、にこりと笑った。

その顔は、どことなく少年のようにも見えた。

「君は今すぐにでも、現代戦国時代に戻すべき人。だけど……」

「だけど?」

「そうはいかない。なぜなら、君は全てを知り、全てに負けない強さを手にすべき人でもあるからさ」

青年の言っている意味がよくわからなかった。

しかし、この人は何かを知っていることが感じられた。
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