現代戦国時代3
「風対風だ。純粋に力勝負だな?」

鉄扇をかつぎ、秀吉はゆっくり近づいてくる。

力勝負なら、すでにこちらの負けは見えていた。

刃は届かず、相手の鉄扇の風は防げやしない。

「あれ?まさか、もう諦めちまうのかい?」

「ははは……そうそう。ゲームって言えば、そうこなくっちゃな」

「!?」

秀吉は明らかに驚きを露にした。

「お前、なぜ記憶が……」

「俺は猿飛佐助。ただの高校生だよ!!」

構えを解いた隙に、俺は秀吉の腹部を拳で乱打した。

「ぐふ……」

くの字に曲がった秀吉の体。

「食らいやがれ!!」

俺は体を回転させながら、飛び蹴りを秀吉の顔に直撃させた。

ぐるぐると凄まじい勢いで秀吉は転がっていく。

「がは……まさか、格闘までできるのか……」

「ああ。最初に鍛練は積んでるんでね」
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