現代戦国時代3
秀吉は鼻から血を流し、明らかに想定外の状況に焦っている。

「お前……どうして記憶を失っていないんだ!?」

「思い出させてもらったんだよ。俺は強くなりたくてここに来たってことをな」

陽炎と会ってから、随分頭が働くようになった気がする。

記憶を思い出したからだろうか。

「はは……まあ、いいや。おいらには敵わないさ」

「……こっちも負けるわけにはいかない。早くあの場所に帰る必要がある」

クナイを構え、相手は鉄扇を構える。

格闘は上回ったが、風の力では完全に負けている。

風でも勝てれば、勝ちは見えてくる。

「うぉぉ!!」

まずは秀吉が鉄扇を振りきった。

凄まじい風。

まるで台風の日のような風が体を吹き飛ばす。

「くっ!!」

身体中に痛みが走り、俺は片膝をついた。

「とどめだ!!」
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