現代戦国時代3
玉は粉々に砕け散り、上空で飛散した。

大砲兵の制圧が終わり、辺りは静かになる。

あまりにも淡白な展開に、孫市は違和感を覚えていた。

「なんだ……まだ幸村が出てないとはいえ、あまりに弱すぎる」

「やるな、孫市」

「っ!!」

その男は突如として現れた。

上空から火の固まりとして現れ、あっという間に辺りを火の海にした。

「幸村……!」

「孫市が最前線に出るとはな。そんなに兵がいないのか?」

幸村は紫の帷子に身を包み、禍々しい気を発している。

孫市が手につけたはずの銃創も無く、以前よりも不穏な空気を携えていた。

「お前……この軍にいたんだな?」

「そう。別に俺はいたくているわけじゃないさ……俺を誘った奴も殺されたようだな」

孫市は周りの雑賀衆に目で合図を送った。

『逃げろ』

孫市にとって、今は幸村の襲撃を伝えることが最優先だった。

得たいの知れない軍に、幸村の存在。

これを謙信に伝えなければならない。

「相談か?俺が用があるのは、お前だけだ。孫市」
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