最終列車


照り付ける太陽。

額から流れる汗。

飛び交うボール。



そんな俺たちの練習を影からずっと眺めている人がいた。


茶色っぽいセミウェーブの髪の毛のちょっと小さめの女の子。

小顔で整った顔の彼女は、学内で美人と有名だ。


俺の彼女でもある、坂下久美(サカシタ クミ)だった。



2年前、銀世界の中で俺は告白された。

あの時のことは今でも忘れはしない。


「これからの時間を私と一緒に過ごしてくれませんか?」

この言葉がとても印象的で、久美の顔がりんごのように真っ赤に染まっていたのを覚えている。





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