one's first love
「あの…さ…?」

『…ん…?』

「俺ん家行かね?」

『…え…?』

「だって…なんか、道行く人たちの視線が…」

あたしが回りを見ると、
ファミレス前を通る地元の方々があたしたちを見ている。

『すみません…』

「いや、いいよ。」
裕くんとあたしはチャリを取って、横に並んで彼の家に向かう。

“……ごめんね”
心の中で呟く。

「……ここ。」
そこには、普通の一軒家。
そして何故か、玄関からじゃなくて裏から入る。
裏には彼の部屋の大きな窓。
あたしはそこから侵入。


「ごめん、親いるっぽくて。」
大丈夫 そういってあたしは彼の部屋に上がらせてもらう。
部屋からは裕くんの匂い。
意外に片付いていたけど、適当にかけてある上着があって、
“男の子の部屋だなぁ”って思った。

あたしは流れで、
ベッドに座る。

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