one's first love
あたしに続いて、
隣に座る裕くん。

そして優しくあたしの頭を撫でる。

「…大丈夫だよ」
微笑みながら、あたしの頭を優しく撫でながら、 そう言ってくれた。

その瞬間。
よくわからないなにかが溢れる出して、
また泣く。

「泣いてもいいよ。泣きたい時は泣け。」
そう言われて、
あたしは泣きじゃくる。


同じ事を繰り返し、繰り返し言ったけど、
裕くんは“うん”と頷きながら、最後まで何度も聞いてくれた。

『…あたし、あいつの事、本当に本当に……大好きっ…だったんだっ……』
涙ぐみながら、
鼻水を啜りながら、
声にならない声で話をした。


もぅいい、
同情されたっていい、
裕くんには、
偽らない。
感情を全て見て欲しい。

あたしは泣いて、泣いて、泣きじゃくった。

『ねぇ…?あたしってそんな、女の子らしくない…?どんなに頑張って可愛くなろうとしても、女の子になれない…?』

…あたしは裕くんにぎゅっと抱きしめられる。

「…そんな事ない。俺はなちの事、ずっと女の子として見てた。」


…今まで、女の子扱いしないで“男”“男”って言ってたのに、
このタイミングで、それは反則だよ?

「なちはちゃんと女の子だよ?だって俺、楓がいなかったら、なちの事好きになってた。」

こんな事を言ってくれたのは、裕くんが生まれて初めてだった。
今まで女の子扱いなんて、された事なかったあたしには、すごく嬉しかったんだよ?


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