恋は翼に乗って~アロハ・ハネムーン~
リビングのソファーに腰をかけた公作は、おずおずとした様子で口を開いた。
「こんな立派なとこ、どうしてあの料金で泊まれるのですか」
「米山さん、せっかくの旅行です。お金の話はナシにしましょう。もちろんこの部屋は別料金なんかじゃありません。安心してくつろいでいただいて結構ですよ。なに、わたしの知り合いがタダみたいな料金で貸してくれたのです」
兼高はソファーセットの、公作の向かいに腰を下ろしてそう言った。
「ソースケは自分は貧乏なのに、なぜか金のあり余っている友達が多いんです。気にしない気にしない」
チャドの言葉に、米山夫妻は嬉しそうに頭を下げた。