恋は翼に乗って~アロハ・ハネムーン~
たそがれの、スローダンス
ツアー最後の夜がきた。出発は明日早朝だ。
もう行動できる時間はわずかしかなかった。
「最後はディナークルーズの予約を入れておきました。船の上でサンセットを眺めながら、食事をし、更にワイキキの夜景を楽しむツアーです」
兼高が埠頭に向かうタクシーの中で言った。
「何から、何まで、本当にありがとうございました。ワシらはもうここに来ることはないと思いますが、今回の旅はいい思い出になりました。一生忘れません」
公作とはる子は深々と頭を下げた。