恋は翼に乗って~アロハ・ハネムーン~
「まったく、はるこさんは優しいから。甘やかさないようにしないと、今後のためにも!」
兼高がため息をついた。
「なぁに、家内は嬉しいのですよ。娘ができたようで。うちは息子が一人だけで、おまけに気が小さいものだから嫁の言いなりで・・・嫁はきつい女で家内につらく当たるのです。しかし、今回の旅行は夫婦で幸せな夢を見ることができました。この思い出を胸にこの先夫婦でひっそりと暮らして行きます」
公作が目頭を押さえた。
「はるちゃんかわいそう」
瑠美がぽつりと言った。
はる子がジュースの入った袋を提げて、小走りに駆けてきた。
瑠美は両手を振って、それに応えた。