恋は翼に乗って~アロハ・ハネムーン~



「しかも、二人とも添乗でいないときは相変わらず母親のマンションに電話とファックス切り替えて任せっぱなしだし」



「ミスはあるのかい?」




「そ・・・それは、ない。完璧すぎるくらいかも・・・」



瑠美はトーンダウンした。



そう、兼高の母親の業務は非の打ち所がなかった。



「チーフのお母さんは、1964年の国際線自由化の時の最初のクルーに選ばれたCAチームにいらしたんだ。ちなみにその時のチーフパーサーは僕のおじいちゃん」



「はぁ~、納得」



「とにかく僕は瑠美が羨ましい。・・・おっと、そろそろ時間だ!じゃこれチーフのメシ代ね」



雄一朗はいつものように千円札を置くと、片手を振って出ていった。
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