恋は翼に乗って~アロハ・ハネムーン~
瑠美は背もたれのポケットから、機内食のメニューを出し、見るとはなしにみていたが、
ふと顔をあげると言った。
「ねぇ、雄一朗。もしあの時シスコでわたしと、ボスに何かあったらどうした?」
「大丈夫!僕は信じてるよ」
雄一朗は瑠美からメニューをとりあげると、真剣な眼差しで彼女をみた。
「雄一朗ったらぁ」
「・・・チーフをねっ」
「ざけんなよぉ!」
「わわ、冗談だよぉ。両方信じてる!!」
「やっぱりあんたたち何かあるんでしょう?!」
瑠美が、雄一朗の首を絞めた。
「お客様、シートベルトをお締め下さい」
CAが苦笑しながら通りすぎた。
「・・・・はい」
二人は小さくなり、消えそうな声で返事をした。
タヒチに向かう二人を乗せたジャンボジェットが、定刻を少し過ぎて飛び立った。