恋は翼に乗って~アロハ・ハネムーン~
フロントはこぢんまりとしていて、キチンとスーツを着込んだ初老の紳士が、物静かな微笑みと共にカードキーを渡してくれた。
40階建ての20階の部屋を開けると、真っ白な太陽の光が五人の目を一瞬閉じさせた。
「うわぁー、明るい部屋ですねぇボス。それに広い広い。まるでスウィートルームだわ」
瑠美が声を張り上げた。
「畳にして、リビングダイニングだけで30畳近くあるからな。さぁ、米山さん、どうぞ奥へ」
兼高は手のひらで、米山夫妻をうながした。