3割の恋。
幸せな日々
あの事件を乗り越えたコトで、ふたりは急速に距離を縮めていた。

そんな初夏の日、あたしは歩夢の家にお邪魔するコトになった。

電車を乗り継いで約1時間、約束ぴったりの到着だった。

ウキウキしながら電話をかけるも、お留守番センターに繋がる。

何回か試みて、あたしは確信した。

寝てやがる。

しょうがないので、なんとか喫茶店を見つけ、時間をつぶすことにした。

何回も電話したが、起きる気配はなく、鬼電しようにも電池が気になった。

待つこと2時間…ゃっと電話が来た。

「ゴメン。寝てた。えへ」

「えへじゃねぇ。今すぐ来い。」

「じゃコンビニで待ってて。すぐ行くから。」

喫茶店を出て駅前のローソンで立ち読みしながら歩夢を待つ。

すぐなんて来れないだろうとふんで、ファッション雑誌に目を通す。

最近の流行りってこんなんなんだぁ。

あっこのワンピース可愛いなぁ…ドンっと誰かにぶつかった。

「ぁっスミマセン。」

「ゴメンなさぃ。」

謝ったものの、その人からの視線をめっちゃ感じてよく見ると…

「ぁっタケちゃん。」

「お前気づくの遅すぎ。」

悪戯成功という感じで歩夢が笑っている。
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