3割の恋。
爆弾でも何でもイイ。

あたしはいれっぱなしになっていた名刺をかき集めて、片っ端から電話した。

誰か出てっ。

「もしもし?」

やっと出たのは最近キャストから内勤になった蓮くんだった。

「蓮くん?蓮くんっ。紗耶香だょぉっ」

「ぁぁ紗耶香ちゃん。どーしたの?」

寝起きなのか、のほほんとしている。

「歩夢が連れてかれちゃったょっ。どうしよォ。」

「!?連れてかれた?誰に?」

蓮くんは完全に目覚めたようだった。

「なんか前の店の人とかって…歩夢なんかされたらどォしよっ。あたしどォすれば…」

「わかった。今から店開けるから来て。詳しい話聞くから落ち着いて。代表に連絡とるし。店来れるね?」

「ぅん…」

「よしっ。気をつけてね。」

蓮くんはそう言って電話を切った。

あたしは足早に店へと向かった。
< 6 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop